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富山ライトレールを徹底解剖!
- 2008/09/29(Mon) -
(写真は全てクリックで拡大します。)

8月に旅行した、富山。
その市街地の中心部に、新たな公共交通機関が誕生して、約2年。
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富山ライトレール(愛称:PORTRAM)は、
かつて富山駅と岩瀬浜駅を結んでいたローカル線、富山港線の廃止後、
その大部分の跡地を利用して、建設されました。
富山駅北~岩瀬浜まで、全長7.6km。
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富山駅北口の目の前に、PORTRAMの「富山駅北」電停があります。
ここから二駅分、路面電車として街中を走り、
そのあとは旧富山港線の線路に合流します。

既存の施設を使うので、建設コストは低く抑えられたようです。

ローカル線だった時代は1日わずか20本だった下り列車は、66本に増加。
平均して1時間4本という、首都圏郊外並みの本数です。


筆者が夕方頃乗車したら、車内は満員でした。
かつて乗客減に悩んでいたローカル線とほぼ同じコースを走っていたとは、思えません。



乗客の多さには、理由があるでしょう。
単に物珍しさだけではないはずです。

1)本数が増えた。
以前の本数では、満足に利用できません。
1時間1本では、乗りたいときに乗る、といった突発的需要に耐えられないからです。


2)乗り心地が良い。
新車両だからきれい、というのももちろんありますが、
車両の性能つまり、加速性能、ブレーキ性能が高い事が重要です。
線路にも工夫があります。
080929n.jpg
路面電車部分では、線路と地面の間に樹脂を埋め込んで、振動を吸収しやすくしています。揺れが少なく、静かです。


3)駅数が増えた。
性能が高いので、駅数を増やしても、所要時間が大きく変わることはありません。
もともと駅数は多かったのですが、さらに粟島駅と犬島新町駅を新設。
080929l.jpg
乗客にとってみれば、ローカル線時代よりも近いところに駅が出来れば、便利なことこのうえありません。
手軽感もあるのか、途中駅から途中駅までの短い区間での利用も多かったです。


4)安い。
距離に関わらず、均一200円です。
これは以前と同じ、もしくは値上げですが、
ICカード「Passca」の利用で160円、子供料金・高齢者値引きでは100円となります。
080929g.jpg
Passcaの普及率は大変高かったです。


5)乗り継ぎの利便性。
080929o.jpg
終点岩瀬浜駅では「フィーダーバス」が駅の目の前に停車。
更に遠方に住む利用客にとってのシームレスな乗り継ぎを可能にしました。
運賃乗り継ぎ割引もあります。


6)駅前自転車置き場の整備
途中駅のいくつかで、自転車置き場が大変整備されていると感じました。
また、利用者の多さも見て取れました。
これによって、いままで富山市街中心部まで自転車を利用していた人々が
ライトレール駅前に駐輪し、そこからライトレールで富山市外に向かうという効果があります。
中心部の放置自転車は減少するという「ライド&ライド」効果が見込めます。


7)トータルデザインによる駅施設のコスト削減とユニバーサルデザインの同時達成。
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インテック本社前電停では、車椅子の乗客もアクセスしやすいようスロープがあります。
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トータルデザインのため、車両と駅のデザインは同時に行われました。
車両のドアとホームの間には当然段差はありません。
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車内の1両目と2両目の継ぎ目もご覧の通り。
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サインシステムは、路面電車区間、軌道区間どちらにも統一的なデザイン。
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時刻表、所要時間、地図の情報をひとつにまとめて表示。
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地図は文字が少し小さく、読みずらいと感じました。
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電光掲示板は小さく薄型で、コストを削減しながらも、乗客に対して最低限の情報のみを表示しています。電車が近づくと、接近を知らせる表示に切り替わり、内蔵スピーカーで音による放送が入ります。




しかし今後の課題と思われることも見受けられました。

・富山駅コンコースの北口のアクセシビリティの向上
  現在富山駅は北陸新幹線の開業も見込んで、北口方面にいくつかホームの増設工事、またコンコースを新設しています。それと同時に現在仮設状態の北口を作り直す工事も進んでいます。完成すれば、JR各線との乗継がよりスムーズになるでしょう。
  将来富山駅の高架化が完成すれば、富山ライトレールが南口方面まで貫通し、現在の富山地方鉄道の路面電車(富山市内軌道線)と繋げるといった計画もあるようです。富山市街北部と南部が繋がれば、よりシームレスな交通体系が可能となるでしょうし、駅コンコースを利用しなくても北から南へ抜けることが可能になれば、富山駅の混雑も軽減されるのではないでしょうか。富山地方鉄道の利用者増にも繋がるかもしれません。

・ラッシュ時の本数増加
  本数が多いとは言っても、平日朝7時代6本、夕方は昼間帯と同じ4本では、少なすぎます。
  利用者数の推移を見ながら、車両増備や路面電車区間の交換設備設置が必要かもしれません。

・路面電車区間での交差点の渋滞緩和
  遅延の原因はほぼ、路面電車区間の渋滞です。特に交差点です。
  自家用車利用者のマナーが悪かった。交通ルールの徹底が必要だと思いました。

・Passcaの他交通への提携、電子マネーの利用
  カードの能力自体は首都圏で使われているICカードとほぼ同じです。
  JR西日本との提携は困難でしょうが、バスや富山地方鉄道などとの提携が、普及率をより高めるのではないでしょうか。現在はフィーダーバスとの提携のみになっています。
  また、電子マネーとして利用できるようにすれば、沿線の商店街との協賛等、可能性は広がるように思います。
  せっかくのICカードですが、現在はチャージ場所の少なさによる不便も多いように見受けられます。

・観光需要の創出
  岩瀬浜の周辺を歩きましたが、はっきり申しまして大したものがありません。
  観光物産館、カナル会館にも行きましたが、夕方なのにシャッターは下り、ひっそりとしておりました。
  沿線には競輪場があるくらいで、ほかに特筆すべき観光資産が見受けられません。
  地元の住民の足となっているのはすばらしいですが、昼間帯の乗車率を高めるためにも、何かないと。

そんなことを感じました。




おまけの写真です
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運転席周りはバスのような感じです。
液晶モニタ、ICカードが新しい感じ。


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1両目と2両目の隙間はこのようになっています。


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旧東岩瀬駅舎はそのまま残され、活用されていました。
ブレていてごめんなさい。


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富山ライトレール本社は城川原駅前にあります。
定期券等の購入は、ここと、岩瀬浜駅近くのカナル会館という施設、富山駅のオフィスで可能のようです。


080929c.jpg
駅アプローチの美しさが見えます。



富山ライトレールは、地方ローカル線をただむやみに存続させたわけではありません。
必要最低限の投資で、最大限の効用を上げるための工夫が凝らされています。
そして新しい公共交通を基盤とした、地方都市の未来の街づくりに繋がっていくのです。

都市の未来に、個性が咲く。



富山ライトレール株式会社ホームページ
http://www.t-lr.co.jp/
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